
引き込まれて最後まで一気に読めたのですが、いまいち収まりが悪い気がしてしまいました。
プロローグが長男のお嫁さん視点で始まるわりに、以降彼女視点で描かれる事は無く、
男女が性交する絵の女性側のモデルはお嫁さんなんですが、じゃあ男の方はどうだったのかな、と。
奥さんに先立たれ、認知症になった父親のおぞましさを最初に出すわりに、途中で物語のテーマが二転くらいしてしまって、ちょっと散漫にも思えました。
終の盟約についても読んでいる途中で、まあそうだろうなと思い当たってしまいますし、実行した医師の苦悩の様子などもあまり感じられず、途中から次男の家に視点が変わって、以降は次男の家の問題になってしまって、ラストも皮肉といえば皮肉なんですが、長男一家は(長男は弟一家と関わりが強い分悩みも残りますが)ふわふわしてしまって、もうちょっとどこかの家に焦点を当てるなり、認知症老人の性のおぞましさに振り切れるなりの回答が欲しかったように思えます。
特に理由は無く、認知症の症状が偶々そっち方面に出てしまっただけ、というだけだったので、(そっちに振り切ったら官能小説になってしまうのかな……)何故長男の奥さんだったのか、どうしてそういう昇華のされかただったのかという部分へのアンサーが欲しかったです。
