2018/11/26

雪割草



横溝正史ではありますが、人は死なないし(病気で死別するシーンはありますが)、旧家の因習も出てきません。

新聞連載されていた通俗長編小説。
戦時中の話ですので、女性がちょっとじれったくなるほどにデモデモダッテなところはありますが、やはり今作は女性のキャラが光ってました。

ヒロイン有爲子もそうですし、木實、美奈子、京子と、出自の違う女性達がそれぞれの立場で精一杯生きようとしている様子にじーんとなりました。

婚約破棄から始まるあたりがちょっと「小説家になろう」の今のトレンドにも似て、大衆小説の流行り廃りって案外ループしているのでは、と、思ったりも。

2018/11/19

みがかヌかがみ



ミステリ、に、なるんでしょうか。
井戸を通した鏡のような二つの世界観で進むお話。

描写が美しくて、着物とか。

着物に仕込んだ鈴がよい仕事をされておりました。

2018/11/07

よろずのことに気をつけよ



会話文が多いなあ、というのと、会話で説明しすぎるあたりでちょっと高田崇史作品を彷彿とさせる部分もありましたが、呪術がツールになっていて、事件を起こすための道具として機能していて安心しました。(高田作品の場合、どうかすると歴史的考察の表現に事件が使われている事があって、動機の部分でえーっとなる事がしばしばあるので……、いえ、あれはあれで好きなんですけども)

そこそこ没入感はあったんですが、のめり込んで一気読み、というわけにはいかなかったのは何故なのかなー、それでも読みきれたのは、続々と謎が謎を呼ぶ感じと、謎が解けていく構成にあったのかなーと。

乱歩賞受賞作という事で、講評も掲載されていました。
しかし、落選者の中に下村敦史、伊兼源太郎の名前があっておおっ! となりました。(下村敦史は乱歩賞に9年連続で応募し続けたとか、すげえな……)あ、でも、川瀬七緖も二度目の最終候補だったのか……。

応募作300前後で推移しておりますが、乱歩賞ってやっぱり応募者の根性も座っているのかな、とか思ったり……。